そもそも人間は「頭の中にある言いたいこと」を100%言葉に表すことをできないし、もっと言ってしまえば「気持ちを言葉に表現する」ことなんて、できはしないのです。
私たちは伝える側にいて、「一生懸命に相手に理解してもらおう」と言葉を選びます。
ところが、でれでもうまくいかないのは当たり前で、私たちの伝えたい「思い」とは、本当は「理解してもらうこと」でも「説明が伝わること」でもないのです。
「治験をもっと進めて欲しい」にせよ「自分の実力を認めてもらいたい」にせよ、相手に何らかの「行動」や「思考」を起こしてもらうことです。
つまり、いくら論理的でわかりやすくても、相手に行動や思考が起こらなければ意味がないのです。
●「できる人」は、何を心に訴えるのか?
では、相手から何らかの行動や思考を起こすということを、相手側から考えてみましょう。
あなたが「よし、そうしよう!」とか「では、そう考えよう!」とか、相手に刺激されて何らかの変化を起こすときに、そこには何が必要でしょうか?
ここに「思い」が必要なのです。
発信側の「思い」ではなく、受け手側の「思い」です。
つまり、自分の思いをどんな言葉にすれば、相手側の思いに結びつくか。
そこに「編集力」が必要になってきます。
1.魅力ある言葉・・・いかにして自分を売り込むか
言葉を発信することによって何が起こるか?
言葉を発すれば、その言葉を魅力的と思う人が自然に集まってくるのです。
自分の価値観を言葉で訴えかけ、その価値観にワクワクする人を集める。
いわば自分のファンをつくるわけです。
2.威力のある言葉・・・いかにして自分の希望をかなえるか
対話によって、自分の希望を相手に認めさせること、これをビジネスの世界では交渉と言っています。
何としても自分の意見を押し通してしまうような「威力のある言葉」、それが大切です。
ただし、間違っていけないのは「威力のある言葉」は、必ずしも内容が強烈であるとか、情熱的信念に裏付けられたものであるとは限らないのです。
交渉はまず第一に相手は人間である、という原則があります。
つまり人間が相手である以上、情熱を込めて、強い言葉で「思い」を語ったところで、数字の公式のように「そのとおりだ」ということにはならないのです。
では人間ひとりを動かすために何が必要かと言えば「自分にとっても、その要望を聞いたほうがいいな」と納得させることです。
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